こんにちは!横浜市旭区あらた動物病院、院長の小林新です。今回は中高齢の猫ちゃんに多い「甲状腺機能亢進症」についてのお話です。
中高齢の猫ちゃんの診察中に飼い主様からこんなお話を聞くことがあります。
『うちの子は年をとってもご飯もよく食べるし元気なのよね。』
『よく食べるけど最近痩せてきたのよね。』
『昔からときどき吐くけど最近多いかも。でも、吐いても元気はあるしご飯もよく食べるの。』
こんなとき、甲状腺の異常が見つかることがあります。
猫ちゃんでは7歳以降から甲状腺ホルモンが過剰に分泌される甲状腺機能亢進症を発症することがあります。
代表的な症状は、痩せる、食欲が増す、活発になる、怒りっぽくなる、吐く、下痢する、よく飲む、おしっこの量が増えるなどです。
初期には一部の症状しかでないことも多いので、飼い主様は猫ちゃんがご飯もよく食べてくれて元気であれば、少し痩せてきていたとしても病気を疑うのは難しいと思います。
進行例では、吐き気や下痢がひどく、食欲も落ち、とても痩せてしまったり、心肥大などで命にかかわるような症状が出てくる場合もあります。
このように重篤な症状が出てくる場合もありますので、早期に発見し、さまざまな症状がでてくる前に治療を開始することをおすすめします。
この病気は、血液検査で甲状腺ホルモン(T4・fT4)を測定することで診断することができます。
また、さまざまな治療法がありますが、飲み薬でも治療が可能ですので、猫ちゃんへの負担も少ないです。
当院では、甲状腺機能亢進症を早期診断するために、7歳以上のシニア期の猫ちゃんでは一般的な健康診断の項目に加えて、甲状腺ホルモンの測定をおすすめしております。
気になる方はお気軽にご相談ください😊