日々の診療

猫ちゃんの健診に関して

こんにちは。横浜市旭区善部町のあらた動物病院、院長の小林 新です。
今回はもうすぐはじまる、ねこちゃん対象の秋の健診キャンペーンに関してお話をしたいと思います。

当院は、開院当初から『ねこに優しい病院』を目指しています。Cat Friendry ClinicGold認定を受け、ねこちゃんに優しい病院の環境づくりをしたり、CATvocateを取得し少しでもねこちゃんに優しい診療を目指しています。
わんちゃんが苦手な子が多いので、健診の時期をずらすことで、来院するねこちゃんたちのストレスを少しでも軽減できるのではないかと考えました。

ねこちゃんとわんちゃんは、体の構造も発症しやすい病気も異なります。できるだけ早期に体の異常を発見し、予防や治療につなげるためには、健康診断の検査項目も必要に応じて追加した方が良いと思われます。
健康診断の必要性に関しては、以下の記事をご覧ください。

健康診断のススメ

ねこちゃんの死因トップ3は以下の画像の通りです。
今回の健診ではこのような疾患の早期発見に繋がるよう、ねこちゃんに特化したオプションもご用意いたしました。

①SDMA(腎臓病のマーカー)

ねこちゃんはわんちゃんと比べて慢性腎臓病になりやすい動物だと言われています。特に15歳齢以上になると3頭に1頭が慢性腎臓病になると言われており、主な死因の1つとなっています。
SDMAは、これまでの腎臓病マーカーよりも早い段階で腎臓の異常をとらえることができる項目です。慢性腎臓病は治らない病気ですが、早期に見つかれば病気とうまく付き合うことでその進行を遅らせることができます。
より早くこの病気を見つけて治療につなげるために、高齢のねこちゃんの健康診断では通常の腎臓病マーカーと合わせてこちらの測定をお勧めしております。

②NT-proBNP(心臓病のマーカー)

ねこちゃんの心臓病は、わんちゃんと比較して見つかりにくいです。
なぜかというと、わんちゃんは心臓が悪くなってくると、ほとんどの症例で心雑音が認められるようになりますが、ねこちゃんでは心臓が悪くても心雑音が認められないことがあります。また逆に、心臓に異常がなくても心雑音が認められることもあります。
また、わんちゃんで一番発症率が高い僧帽弁閉鎖不全症という病気は、高齢になってから発症することがほとんどですが、ねこちゃんで一番発症率が高い肥大型心筋症は5~7歳での発症が多く、若齢から高齢までどの年齢でも発症することがあると言われています。当院でも、1歳時に発症したねこちゃんがいらっしゃいます。
肥大型心筋症の好発種であるねこちゃんに対しては、健康診断の項目と合わせてこちらの項目の測定をお勧めしております。

③甲状腺ホルモン

ねこちゃんでは7歳以降から甲状腺ホルモンが過剰に分泌される甲状腺機能亢進症を発症することがあります。7歳以降のシニア期のねこちゃんは測定を検討してみても良いかもしれません。
甲状腺機能亢進症に関しては、以下の記事をご覧ください。

甲状腺機能亢進症について🐈

健康診断に関してご不明な点があればお気軽にご連絡ください。

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