こんにちは。横浜市旭区善部町 あらた動物病院、獣医師の小林紗織です。
突然ですが、こども自然公園でホタル観賞ができるのをご存知ですか?ホタルは水が綺麗な場所を好むので、年々減ってしまっているそうですが、こんな近場でホタル鑑賞できるなんて驚きました。
私は患者様から教えていただいて知ったのですが、なかなか子供が小さいので見に行くことができず・・・
ずっと行きたいと思っていましたが、院長が早く帰宅できた日についに見に行ってまいりました!
子供のころ実家の近くで見たぶりで、子供も私もわくわくです。
6月上旬はシーズンのようで夜8時を過ぎていたのですが、たくさんの方が公園に足を運んでいました。夜の公園はなんだか怖いイメージがありましたが、人がたくさんでそんなこと無かったです笑
わかりにくいですが、ホタルが飛び交ってます。
ホタル鑑賞、毎年恒例にしたいと思います。
前置きが長くなりましたが、今回は皆さんに知っていただきたいことがありブログを書きました。病院付近はこども自然公園をはじめとした緑が多い地域です。そんな草むらに潜んでいるのが「ノミ・マダニ」です。
ここ連日ニュースで報道されているのでご存知の方も多いと思いますが、マダニはSFTS(重症熱性血小板減少症候群)という、人にもうつる感染症を媒介します。
ネコでSFTSを疑う症状は、発熱、元気・食欲低下、黄疸、マダニ寄生、血液検査異常(白血球数減少、血小板数減少、肝酵素上昇など)等です。発症後の致死率は約60%と高いです。
イヌでの症状もネコの症状とほぼ同様で、致死率も約40%と高いです。
人での症状は、発熱、消化器症状、呼吸不全症状などで、重症化すると死に至ることもあります。
数年前までは主に西日本での発生がメインでしたが、先日茨城県のネコでSFTSが確認されたとのことです。
どんどん北上してきているので、おそらく神奈川県で発生するのも時間の問題かと思います。
三重県ではSFTSに感染していたネコの治療にあったていた獣医師が亡くなられたそうです。このニュースを知った時、同じ立場である獣医師ということで他人事ではないと感じました。亡くなられた先生のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
ちなみにその獣医師にはマダニに咬まれたあとは無かったとのことから、SFTSはマダニ経由だけではなく、SFTSに感染したイヌやネコの排泄物や体液等を介して感染することがあるということがわかります。
SFTSにはワクチンがないので、日頃のノミマダニ予防が大切になってきます。お外に出るネコちゃん、わんちゃんはもちろんですが、完全室内飼いの子でも玄関やベランダ、動物との接触等、感染するリスクがゼロとは言えません。SFTSの発生はマダニの活動が活発な春から秋にかけてが多いですが、冬にもSFTSの報告がされているので通年予防をおすすめいたします。
当院でも以前から入院やペットホテル、トリミング等でお預かりする際、ノミマダニ予防をお願いしていますが、感染拡大防止、またスタッフの安全のためにも、これからもどうぞご理解ご協力をお願いいたします。
また、お外に出ているネコちゃんで発熱や黄疸の症状が出ている場合は、来院前にお電話をいただけますと幸いです。
ノミマダニ予防について、わからないことがあればお気軽にご相談ください。