こんにちは。横浜市旭区善部町、あらた動物病院 獣医師の小林紗織です。
元旦に発生した能登半島地震で被災された方々へ、心よりお見舞い申し上げます。
この地震で再度防災についての対策を見直されている方も多いと思います。
災害が起きた時のために今からできること
➀避難ルートや避難場所、避難所の確認
ペットを連れて避難する際、同行避難か同伴避難なのかを確認しておきましょう。
同行避難…ペットと一緒に避難することを差します。避難所でペットと一緒に過ごせるかは自治体や避難所の判断によります。
同伴避難…ペットと一緒に避難し、避難所で一緒に過ごすことを差します。
基本的に行政は人命優先です。
避難所には動物アレルギーや動物が苦手な方もいるため、飼い主と同居は不可能なことがほとんどです。
もし自宅が安全であり、定期的にお世話をするために戻れる状況であるのならば、同行避難しないというのも一つの選択肢です。
避難場所…一時的に避難するための場所
横浜市旭区の避難場所一覧、横浜市泉区の避難場所一覧(横浜市のサイトに繋がります)
避難所(地域防災拠点)…建物倒壊等により、生活の場を失った方が生活する場所
横浜市旭区の避難所一覧、横浜市泉区の避難所一覧(横浜市のサイトに繋がります)
➁ペットの身元表示
<犬>
鑑札および狂犬病予防注射済票を首輪に装着しておく。装着は義務付けられています。
飼い主情報を記入した迷子札を装着しておく。
マイクロチップの装着、登録
<猫>
飼い主情報を記入した迷子札を装着しておく。
マイクロチップの装着、登録
また、万が一脱走してしまった場合のため、ペットの特徴がわかる写真を予め印刷しておいたり、迷子ポスターを作製しておくのもおすすめです。また、迷子になった犬や猫を引き取る際に自分が確かに飼い主であることの証明にもなるので、愛犬、愛猫と一緒に写った写真を用意しておくのも良いでしょう。
➂動物用避難用品の確保
少なくとも5日分以上の物資を入れた避難袋を用意しておきましょう。
・フード、水、薬
・キャリーバッグ、ケージ
・首輪、ハーネス、リード(伸びないもの)
・携帯用食器
・ペットシーツ、ビニール袋などのトイレ用品
・ブラシ、おもちゃ
・ワクチン接種証明書、かかりつけ動物病院の情報
・新聞紙、ガムテープ、食品用ラップ、油性ペン、カッター、トイレットペーパー
・タオル、毛布
中・大型犬で抱きかかえられない場合は靴や靴下を用意しておくと安心です。
フードなどの期限があるものは、いざ使おうとしたら賞味期限切れだったという事態を防ぐために「ローリングストック法」で賢く備蓄しましょう。
ローリングストック法とは多めに買い足し、備えて、日常で消費していくという方法です。
➃健康管理
狂犬病ワクチン接種、混合ワクチン接種、ノミマダニ予防を常日頃から実施しましょう。
また、東日本大震災では取り残された犬猫の繁殖が多くみられたとのことです。病気を防ぐためにも避妊・去勢手術を受けることをおすすめします。
今もし災害が起きたらどうする?
皆さんは考えたことはありますか?
愛犬との散歩中、職場や学校にいる間、寝ている間…
災害はいつ起こるかわかりません。シミュレーションしてみるのも避難訓練の一つです。
また、家族がそれぞれ別の場所で被災することを想定し、集合場所や時間を決めておくのも良いでしょう。
愛犬、愛猫を守るにはまずは飼い主さん、自分自身の命を守らなければなりません。そのうえで、愛犬、愛猫をどう守れるかを考えましょう。
ぜひ防災について、改めて見直してみましょう!