日々の診療

お詫び

先日、院長である私と看護師1名が新型コロナウイルスに感染していることが判明したため、8/21まで休診にさせていただきました。来院いただいている皆様に不安を抱かせてしまい大変申し訳ありませんでした。

現在、あらた動物病院では通常通り診察を行なっておりますので、ご安心ください。

感染防止には十分努めていたつもりでしたが、私の管理にあまい部分があったのかもしれません。今後、このような事態を引き起こさないために、スタッフ一同感染防止に向けてこれまで以上に努めていきたいと思います。よろしくお願い致します。

【第26回獣医がん学会に出席して】

ブログの更新もできていませんでしたので、先日オンラインで出席した第26回がん学会のお話をしたいと思います。今回の学会で興味深かったのは、犬の膀胱腫瘍に対する新規治療薬(ラパチニブ)についてです。

膀胱は、尿を貯める臓器です。ここが腫瘍化すると、おしっこが我慢できなくてお漏らしを繰り返したり、血尿がでたりと膀胱炎の症状がでてきます。

犬で一番発生の多い腫瘍は、移行上皮癌といわれる腫瘍で、転移を起こしやすく治療が難しい腫瘍です。いろいろな治療がありますが、完治させる治療として確立された治療法はまだありません。

今回、学会で報告があったラパチニブという抗がん剤ですが、興味深いお薬でした。飲み薬で、重篤な副作用が出にくく、生存期間を大きく伸ばせる可能性があると言うものでした。

この腫瘍に使える抗がん剤のほとんどが注射薬で、副作用もあるので頻回の通院が必要になって来ます。今回のお薬は飲み薬で、副作用が少ないので、他の抗がん剤と比べて通院の回数を減らせます。そういう意味でわんちゃんとそのご家族の負担を大きく軽減できる可能性があると考えています。

しかし、非常に高価なお薬ですので、使用に関するハードルはまだまだ高いです。今後、少しでも薬価が下がることを期待したいと思います。

腫瘍の分野は、日々研究が進んでおり、新しい薬や治療法がどんどんでてきます。腫瘍科認定医として、腫瘍でお困りの患者様や動物に対して少しでも良い治療が提供できるように、これからも学会やセミナーに積極的に参加していきたいと思います。

あらた動物病院 院長 小林 新

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