日々の診療

理想のトイレ

こんにちは。横浜旭区善部町のあらた動物病院 院長の小林です。

今回は猫ちゃんの診察で相談が多い、トイレの環境に関してお話をしていきたいと思います。
猫はもともとすごくきれい好きな動物なので、トイレの環境が良くないことはトイレの失敗や、膀胱炎などの泌尿器疾患の発生につながります。
これまで、そのような経験がある猫ちゃんはもしかしたらおうちのトイレが嫌いなのかもしれません。

トイレの失敗以外で、トイレに不満がある猫の排泄行動としていくつかの行動が言われています。

・砂の臭いをかぐ時間が少ない
・排泄前に掘る時間が少ない

他にも埋める行為が少ない・走って出て行く・淵に立つなどが言われています。

もし、思い当たるところがあるならこれを機会にトイレの環境を見直してみても良いかもしれません。

トイレの環境で見直したいのは5つ

①トイレの大きさ ②タイプ ③場所 ④砂の種類 ⑤数 です。

①トイレの大きさ
野良猫ちゃんが排泄する機会を見ることがあれば、是非見ておいていただきたいのです。猫はもともと非常に大きな面積を使って排泄をする動物です。家のなかでもその排泄場所を再現する必要があるので大きめのトイレがおすすめです。理想の大きさとしては、猫の頭からお尻までの距離の1.5倍ぐらい。市販のトイレのサイズならLLサイズあるいは衣装ケースなどを利用するのがおすすめです。

②トイレのタイプ
カバーのあるタイプとないタイプでは、臭いのこもりにくいカバーなしのタイプが良いと言われています。人だと、カバーありのタイプはこのようなものかもしれません。どちらが良いかは明白です。

③トイレの場所
トイレは落ち着いてしたいもの。洗濯機や乾燥機などうるさい電化製品のそばに置かれると落ち着いてゆっくり排泄ができません。また、普段生活しているエリアから離れたところにあると面倒で行きたくなくなってしまいます。必ず、普段生活している場所の近くに置くようにしてあげてください。

④トイレの猫砂の種類
細かい固まるタイプの砂が理想的だと言われています。ただ、好みもあるのでいろいろなタイプの砂を試されてみても良いかもしれません。

⑤トイレの数
一般的に飼育頭数+1つと言われています。誰かが使って排せつ物が残っている汚いトイレでは排泄をしたくありません。常に、きれいなトイレを準備しておくという意味で飼育頭数+1つのトイレがおすすめされています。

良好なトイレ環境に改善されると猫ちゃんはこのような排泄行動をとるようになります。

排泄時間が長くなる・砂を掘る・排せつ物を完全に隠す・ゆっくり出て行く

よく、嫌がらせで猫ちゃんがトイレを失敗するとおっしゃるオーナーさんがいらっしゃいます。もしかしたら、トイレが嫌いなだけかもしれません。これを機会にトイレ環境を見直してみても良いかもしれません。

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