症例紹介

症例紹介:慢性下痢

こんにちは。横浜市旭区善部町のあらた動物病院、院長の小林 新です。

最近、お腹をこわして来院される方も多いです。寒暖差やストレスからくる急性下痢の場合は2.3日で改善する場合が多いです。しかし、なかなか治らないあるいは再発を繰り返す場合は、何か長引いてしまう原因が隠れているかもしれません。

今回紹介するのは生後4か月齢の子犬さんです。ペットショップからおうちに来た時から便がゆるく、食べむらもあるとのことでした。こんな便をしたので急いで連れて来たとのことでした。

糞便検査をさせてもらうとこんなものが見つかりました。

木の葉が舞うようにひらひらとした動きが特徴的です。新鮮便でないと顕微鏡では確認するのが困難なため、診断まで時間がかかってしまう場合も多いです。
こちらが染色したものになります。凧揚げのたこのような見た目ですね。

これはジアルジアという寄生虫です。感染した場合、健康な成犬では特に目立った症状はありませんが、子犬や若い犬では、下痢がよく見られます。下痢は急にはじまっては治り、また再発するといったこともあれば、長期間続くこともあります。また、この時期に下痢が長引くと発育不良や体重の減少が見られるようになります。

ジアルジアは感染したわんちゃんのウンチを介して、他のわんちゃんに感染します。感染力が強く、環境中でも感染力を持った状態で長くとどまります。このため、わんちゃんへ治療に加えて、糞便の処理や環境の消毒をしっかり行う必要があります。

この症例はジアルジアの駆虫が完了し、うんちも固まり、元気や食欲もしっかり出てきました。

慢性的に下痢が治らないとき何か原因が隠れている場合があります。下痢が続く際には気兼ねなくご相談いただければと思います。

関連記事