こんにちは、横浜市旭区あらた動物病院、院長の小林新です。
今回は前回お話できなかった、去勢手術についてお話をしたいと思います。
この記事が去勢手術を行うか迷われている方の参考になればと思います。
去勢手術のメリット
①望まれない交配による妊娠を避けられます。
また余談ですがドッグランなどに行っても嫌がられません。
②性ホルモンに関連した問題行動を抑制できます。
マーキング(スプレー行動)、マウンティング、攻撃性など・猫ちゃんの場合は尿の匂い軽減
すでに、マーキング(スプレー行動)やマウンティングが認められる場合は改善しない場合がありますので、こちらを期待する場合は若いころに手術することをおすすめします。
③生殖器・性ホルモンに関連した病気の予防効果があります。
前立腺肥大、精巣腫瘍、会陰ヘルニア、肛門周囲腺腫など
このなかでも精巣腫瘍は高齢で見つかりやすい病気の1つです。精巣腫瘍は良性のものから悪性の癌までさまざまです。診断と治療には精巣の摘出が必要で、去勢手術を実施ししますが、高齢で何らかの持病がある場合は麻酔や手術のリスクは若くて健康な時よりどうしても高くなってしまします。
また、会陰ヘルニアも未去勢のわんちゃんでまれに見つかる病気で排便困難や排尿困難に陥ることがあります。特に、おしっこが出ない場合は命にかかわることがある病気です。治療には大掛かりな手術が必要で、術後に再発することもある恐ろしい病気です。
これらの病気の発生率を下げたり、予防できることは大きなメリットであると思います。
高齢になったら去勢や避妊手術はできないのか?
『若いころに手術するか迷っている間にだいぶ年をとってしまった。』
『この年だと手術は難しいでしょ。』
そう言われることがあります。
確かに若いころと比べると高齢であったり、持病がある場合の麻酔のリスクは上がります。しかし、必ずしも安全に麻酔がかけられないわけではありません。
当院では、年齢や状態にあわせた術前検査を実施することで、麻酔前に全身状態を把握し、適切な麻酔薬を選択します。高齢であっても適切な麻酔管理を行えば安全に麻酔をかけることができます。麻酔が不安な際は是非ご相談ください。
去勢や避妊手術は必ず絶対にやっていかなければならない手術ではありません。しかし、実施することによるメリットは十分あると思います。
気になる方は一度ご相談いただければと思います。