症例紹介

症例紹介:膣ポリープ

こんにちは。横浜市旭区善部町のあらた動物病院 院長の小林 新です。今回は、陰部からしこりが飛び出してきた12歳のパグの女の子に関して紹介したいと思います。

ウンチでいきんだときに何か出てきたとのことで、受診されました。

しこりは、このような形で外陰部から出てきているようで、未避妊の女の子であったので、膣ポリープの可能性を考えました。

しこりを引っ張り出してくると、このように膣から発生しているようでした。

可能な限り基部から切除しました。この腫瘍は女性ホルモン反応性の良性腫瘍がほとんどで、未避妊の場合は避妊手術を同時に実施することで再発しにくいと言われています。

同時に、避妊手術も実施しました。高齢であったので、卵巣や子宮疾患が併発している場合も考えられたため、病理検査も実施しました。

卵巣にも良性腫瘍ができており、子宮にも以上の変化が認められました。

その後、再発は認められず、元気に過ごしてくれています。

膣の良性病変(線維性ポリープ、ポリープ状線維腫、線維平滑筋腫、平滑筋腫など)は、未避妊の女の子でよく認められ、女性ホルモン依存性の可能性がある病変です。

腫瘍の切除のみでは、約15%で再発すると言われていますが、同時に避妊手術を実施することで再発しないと報告されています。

また、1/3の症例で子宮・卵巣・乳腺に変化(嚢胞性子宮内膜腺性過形成・卵巣嚢腫・乳腺腫瘍など)が認められたとの報告もあるので、当院ではこの腫瘍の治療では、腫瘍切除と避妊手術を同時に実施し、病理検査をおすすめしております。

また、2歳までに避妊手術を実施することで予防することができるとの報告もあるので、当院では若齢での避妊手術をおすすめしております。

膣ポリープに関すること、避妊手術に関することなどでお悩みの方は、是非ご相談ください。

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