こんにちは。横浜市旭区善部町のあらた動物病院、院長の小林 新です。
今日は口鼻瘻管(こうびろうかん)についてお話したいと思います。
症例は慢性的に鼻水がでていた、11歳のトイプードルさんです。
来院時、右側の鼻水が特にひどく、鼻が詰まっているときは呼吸も苦しそうとのことでした。
食事をしていても、途中で鼻が詰まってしまい食べるのをやめてしまうようでした。
その影響で体重も落ちてしまっていました。
慢性鼻炎の原因として、歯周病、細菌性鼻炎、鼻腔内異物、鼻腔内腫瘍などを考えました。
一ヵ月ほど前に他院にて歯科処置は行っていたそうですが、肉眼所見や経過から歯周病からくる口鼻瘻管の可能性が高いと考え、飼い主様と相談し、当院にて再度歯科処置を実施しました。
口鼻瘻管とは、上顎の歯周病が進行し、歯の根元と鼻の間の骨が溶けてしまい出来てしまった瘻管のことを言います。この瘻管から口の細菌が鼻に入ってしまい、慢性鼻炎の原因となります。特に犬歯の根元は鼻と近いため発生しやすいと言われています。
術後から鼻水とくしゃみはなくなり、ご飯もガツガツ食べてくれるようになり体重も増えました。鼻の周りも汚れなくなりきれいになって良かったです。
歯周病がこのように慢性的な鼻水の原因になることもあります。慢性的なくしゃみや鼻水でお困りの際は一度相談していただければと思います。